統合型即時発行:支店内でのカード発行を支援する高度なソリューション

支店で銀行カードを即時発行することが一般的になっています。このようなサービスを支援するソリューションは複数あります。

カードリンクのような一部のソリューションは非常に簡単に展開できますが、カスタマイズできる領域は一部の個人データに制限されます(詳細については、カードリンクに関する当社の記事を参照してください)。

その他のいわゆる「統合型」ソリューションを使用すると、グラフィックやデジタルを使用して、ほとんど無制限にカスタマイズできます。セキュリティとサービスの自動化を進めることもできますが、より多くの統合が必要になります。

この記事では、このような「超パーソナル化」を実現する統合型ソリューションについて説明します。これらのソリューションはどのような仕組みになっているのでしょうか。カードリンクとはどのように違うのでしょうか。主なメリットはどのようなものでしょうか。

支店内におけるカードの統合型即時発行:仕組み

カードの統合型即時発行ソリューションを展開するには、銀行内にすべてのハードウェアとソフトウェアを設置する必要があります。一部の必須コンポーネント(機器、ソフトウェアなど)は中枢部に設置し、他のコンポーネントは各支店に設置する必要があります

必須コンポーネント:

  • カードプリンタ:すべての支店に設置します。これらのプリンタを使用して銀行カードを印刷し、グラフィック(デザイン、個人データなど)やデジタル(磁気ストライプエンコーディング、接触式ICチップ、非接触ICチップ)を使用してパーソナル化を行います。即時発行した銀行カードはその場で所有者に渡すことができるため、所有者はすぐに銀行カードを使用できます。
  • カードとインクリボン:各支店は、プリンタに供給するブランクカード(または事前にカスタマイズしたカード)とインクリボンの在庫を確保しておく必要があります。
  • 即時発行ソフトウェア:中枢部に設置し、各支店からアクセスできるようにします。銀行のCMS(カード管理システム)からカードをリクエストすると、即時発行ソフトウェアに直ちに転送されます。ソフトウェアはパーソナル化用のデータを準備し、プリンタに印刷ジョブを送信します。
  • セキュリティモジュール(HSM:即時発行ソフトウェアはこのモジュールを使用してカードのパーソナル化に必要なデータを安全に準備します。

このようなソリューションは銀行のシステムと最適な形で統合されます。そのため、このプロセスに必要なすべての手順は自動化されます

支店内でカードの統合型即時発行ソシューションを使用することの主なメリット

銀行カードを顧客に直ちに提供する方法は複数あります。カードリンクもそのようなソリューションの1つです。統合型即時発行・パーソナル化ソリューションとカードリンクソリューションとの違いはどのようなものでしょうか。

統合型即時発行とカードリンクの比較

優れたデザインを生み出す無限の可能性

カードの外観は無限にデザインできます。これは完全なブランクカードに印刷することができるためです。デザインの可能性に制限はありません。写真などを使用してパーソナル化することで、顧客ごとに異なるカードを作成することもできます。このようなパーソナル化のサービスを提供することで、銀行は競合他社との差別化を図り、ブランドイメージを向上させ、収益を高めることができます。

一方、カードリンクはカードの使用に基づいているため、パーソナル化の範囲は制限されます(カードの所有者となる顧客の姓名など)。

最適な安全性

銀行にとって最も大事なものは顧客の個人データの安全性です。そのため、カードの統合型即時発行・パーソナル化ソリューションは、カードネットワークセキュリティ勧告およびセキュリティ基準(PCI-DSS)に準拠しています。カードを発行する過程で機密データが漏洩することはありません。このような取り組みの一環として、プリンタには暗号や高度なセキュリティオプションを実装しています(デバイスのロック、インクリボンに印刷されたデータの自動削除など)。

効率性の高いプロセス

統合型ソリューションのプロセスは完全に自動化されています(一方、カードリンクを使用する場合は、適切な関連サービスを使用して、発行されたカードを適切な人物にリンクさせる必要があります)。手動操作が必要ないため、時間を節約して操作ミスを削減できます。

カードの在庫をより適切に管理できるため、コストを削減することもできます

カードリンクを使用する場合は、有効期限がすでに記載されているカードの在庫を管理しなければなりませんが、統合型即時発行を使用する場合は、発行時に有効期限をパーソナル化できるため、そのような制約がありません。これは顧客にとってもメリットがあります。カードの有効開始日が発行日に設定されるからです。すでに有効期限が記載されているカードの場合、有効開始日は発行日より前の日付になります。

入手可能な製品に関するヒント

銀行カードの統合型即時発行・パーソナル化ソリューションには数多くの選択肢があります。理想的なカードプリンタとソフトウェアを見つけるためのヒントを以下に示します。

カードプリンタ

カードプリンタはシステムの主要な要素です。適切なモデルを選択するためには、信頼性、人間工学、安全性のレベル、耐久性、互換性に特に注意することをお勧めします。

考慮すべき基準の詳細については、当社の無料のホワイトペーパー「カードの即時発行:メリットとソリューション」を参照してください。

ソフトウェア

ソフトウェアソリューションも同様に重要な要素です。以下について検討することをお勧めします。

  • 可能な限り多くのカードプリンタに対応しているソフトウェアソリューションを選択する:ソフトウェアソリューションが多数のカードプリンタに対応していることを確認します。そうすることで、自社に最も適したモデルを選択できます。
  • ソフトウェアソリューションの自動統合がさまざまなカード管理システムに対応していることを確認する:具体的には、銀行のカード管理システムに対応していることを確認します。
  • リモート監視機能を備えたソフトウェアソリューションを選択する:消耗品(カード、インクリボン)の在庫レベルを監視して、各支店の補充を自動化できます。この機能により、サービスの継続性を最大化できます。

システム統合

選択したカードプリンタとソフトウェアソリューションは連携させる必要があります。このためにはシステムを統合する必要がありますが、通常はカードプリンタメーカーとシステムインテグレータが共同で行います。この共同作業はプロジェクトを成功させるために不可欠です。そのため、カードプリンタのサプライヤが、このような作業に対応できることを確認しておく必要があります。