クラウドを使用した銀行カードの即時発行に関する詳細
クラウドを使用したSaaS(Software as a Service)ソリューションが急成長しています。これは金融機関においても同様です。銀行カードの即時発行をサポートするSaaSソリューションの開発が進んでいます。サブスクリプションに登録すれば、後はSaaSソリューションプロバイダがすべての作業を行います。
このソリューションは銀行カードの即時発行をサポートする他のソリューションとはどのように異なるのでしょうか。どのようなメリットを期待できるのでしょうか。どうすれば最適な形で展開できるのでしょうか。
銀行カードの即時発行向けのSaaSソリューションとは?
銀行カードを即時発行するためのソリューションは3つあります。
特定のソリューションを社内で開発する
銀行カードを即時発行するソリューションは独自に開発できます。ただし研究開発に多くの人的資源が必要となるため、時間と開発予算が必要になります。無償で提供されるSDK(ソフトウェア開発キット)を使用することで、当社の銀行カードプリンタはこのようなカスタム開発に対応できます。
市場のソフトウェアに投資する
購入可能な「市販」の即時発行ソリューションは多数あります。このようなソリューションは社内に設置します。運用に必要なすべてのIT機器(サーバー、暗号機など)も設置する必要があります。カスタマイズの選択肢は十分にありますが、特定のソリューションを開発する場合に比べると選択肢の幅は狭まります。詳細については、支店で統合的に即時発行される銀行カードに関する記事をご覧ください。
SaaSサービスに登録する
このモデルはサブスクリプション方式を採用します。他の市場でも多くのソフトウェア製品に利用されていますが、銀行カードの即時発行においても利用されるようになっています。クラウドでのサービス運用に必要なITインフラ(サーバー、暗号機)は、すべてソリューションプロバイダがサポートします。これらのメンテナンスやセキュリティ基準の遵守もプロバイダの責任となります。ニーズに合わせてサービスを選択・登録し、支店にプリンタを設置して、ネットワークとSaaSソリューションに接続するだけで済みます。
SaaSを使用して銀行カードを即時発行することのメリット
- 迅速かつ簡単な展開
統合要件はほとんどないため、非常に迅速に展開できます。プリンタと選択したソリューションの設定を行うだけです。その他の作業はすべてSaaSソリューションプロバイダが行います。登録さえ済ませれば、後はサービスを享受するだけで済みます。
- スケーラブル
サブスクリプション方式は柔軟性に優れています。ソリューションを小規模展開して試してから、すべての銀行支店に大規模展開することもできます。銀行カード発行サービスへの接続プロセスはすべての支店で同じになります。
機能の追加(新しいカードテンプレートなど)も簡単です。ITが全面的に開発を行う必要はありません。
- Cost-effective
実際の使用量に応じた定額制で支払いを行います。ソリューションのコストを正確に把握することができます。セキュリティ基準の遵守、取り付け、運用、メンテナンスはソリューションプロバイダが管理するため、追加のコストは発生しません。リスクを最小限に抑え、コスト効率を最大限に高めることができます。
- Accessible
SaaSサービスにアクセスするために必要なものは、インターネット接続、ソリューションへのアクセス権限、カードプリンタのみです。つまり、どこからでもすぐに銀行カードをパーソナル化して印刷することができます。
考慮すべき制限事項
銀行カードの即時発行向けのSaaSは急速に増えてますが、全体に占める割合はまだわずかです。そのため、カスタマイズの選択肢も他の即時発行モデルと比べて少ないかもしれません。
プロバイダに依存する必要もあります。すべてのデータと、SaaSサービスの運用に必要なコンピュータ機器を第三者に委ねる必要があります。
銀行カードプリンタ選びの重要性
SaaSソリューションを使用して銀行カードの即時発行を開始する場合は、PCカード内蔵のカードプリンタを選択することをお勧めします。
PCカードにより、プリンタはクラウド経由で直接SaaSソリューションに接続されます。そのため、PCカードの役割を果たす個別のコンピュータをプリンタの横に設置する必要はありません。コンピュータ機器の必要性を低減し、メンテナンスの手間を軽減し、セキュリティ管理を容易にできます。